野津先生の体験談

こちらの体験談は2010年にミルウォーキーに赴任されて来た、野津先生とご家族のお話です。

Wisconsin留学体験記

留学までの経緯

8月、留学先の先生へメール、CVの送付。アメリカ腎臓学会出席の際に会ってinterviewを受けることとなる。(私の場合は和歌山医大吉川先生に留学先の先生を紹介していただき、そのまま私の保証人となってくださったので、非常にスムーズに話が進んだ。1から自分で留学先を探した場合はこれほど簡単には話は進まないであろう。)

11月、ASN出席の際に約1時間のinterview。十分な(最低限の?)英語力はあるとの評価を受け、4月からの留学が決定。後日郵送されてきた書類には、十分な英語力と臨床経験および臨床における業績を評価し受け入れを決定したとのコメントが書かれていた。Interviewでの評価ポイントであったものと思われる。

12月、それまで、留学生の事務担当者とのやり取りを行い、12月中旬に私と家族のDS-2019(就労証明書のようなもの、VISA獲得には必須。入国審査の際にも提出を求められる。研究留学の場合、一般的にJ-1VISAが必要であり、同伴家族にはJ-2VISAが必要である。)が郵送されてくる。同時に留学先での医療保険は個人で加入するか、留学先の大学のものに加入するか質問される(私の場合は大学での保険に加入。デメリットは日本語が通じない、内容の確認が難しいなど。医療保険に入っていることの証明書はVISAの申請の際も必要)。12月中にパスポートの準備、銀行の残高証明書(十分な経済力があるかの証明)、VISA申請のための書類の準備。これらにはどれだけ急いでも2週間くらいが必要。DSが郵送されてきたら直ちに準備を開始する必要がある。

1月初旬にVISA申請のための面接予約、大阪のアメリカ領事館で面接(予約は翌日でも可能であったが時期によるらしい。アメリカでの職業、期間を簡単な英語でやりとりする。意外と早く終了し、1時間程度で終わった。)、その後1週間でVISAが送付されてくる(時期によっては2週間かかることもあり)。

1月~2月、損害賠償保険に加入(私の場合、JFC海外赴任者総合保険制度に加入。1年間55000円。同時に強制的に加入の必要があるJALファミリークラブの加入審査に1カ月弱を要するので要注意。JALファミリークラブはクレジットカードであり、私の場合すでにVISAカードを保有していたので特に必要なかったが、JFC加入のために入らざるを得なかった。)。同時にAGIS総合サポートサービス(45000円)に加入し、アメリカで使用する携帯電話(KDDI mobile)を出発直前に送付してもらう。後にJFC加入、審査後であればAGIS加入は30000円ですむことが判明。もちろん返金はされない。残念。このサービスは電話、TV、インターネット加入の際日本語通訳をしてくれる。さらに現地での自動車保険の斡旋をしてくれる。とても有用なのでおすすめ。

3月1日 渡米。

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航空チケットの取得

3月1日渡米の日程が早期より決まっていたため、1月中に購入。UAのホームページから入り、座席指定をしておく(2歳児同伴のため、economy plusの最後尾列を確保。最前列でもいいのではないかと思われる)。とにかく早めに確保しないと希望の席は取れないので、特に子供連れの場合は日程が決まれば急ぐべきと思われる。

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出入国

荷物に関して:

手荷物はスーツケース3個、持ち込みのかばん3個(1個は機内で遊ぶための子供のおもちゃ)。23kgまでは無料であり、それ以上は有料。出発の際に重量の確認を行ったが、どうしても23kgを超えるため、重いものを一つにまとめて2つは23kg以内、一つは30kgとし、空港で追加料金15000円程度を支払った。ひとり2つまでスーツケースを預けられるのではあるが、子供連れということを考慮し、計3つに抑えて追加料金を払うことを選択した。実はこれが大正解で、空港のカートはスーツケース2つの上に一つのせることで精一杯で、もう一人が子供をだっこする状況を考えると、これでめいっぱいであった。実際私たちの場合はサンフランシスコ経由であり、transitの際荷物を一度受け取っての税関審査があったので、スーツケースが4つあった場合、移動はかなり厳しかった。

持ち込み資金に関して:

現金で5000ドル、トラベラーズチェックで10000ドル準備した。税関の申告の際、妻に7000ドルを渡し、私が8000ドルを持ち、申告書には8000ドルと記載した。これは大きな誤りであった。税関を通過する際、8000ドルという文字を見て「総額でこの金額か?」と尋ねられた。正直に総額では15000ドルだと答えると、別室に行けと言われた。そこで、なぜうそを書いたのかと聞かれた際に、二人で分けて自分の分だけ書けばいいと思った。申し訳なかったと説明すると、それ以上のとがめはなく、税金も聴取されなかった。ある本によると、申告書にはちゃんと正確な値段を記載し、生活に使う費用と答えれば大丈夫とも書かれている。本当かどうかわからないが、うそを書いてはいけないと反省した。後の印象では、citibankの口座さえ開設しておけば、総額10000ドル以下でも全く問題ないものと思われる。しかし後述のようにcitibankでのドルの送金にはアメリカでの口座開設後、書類の送付などのため、数週間を要する。私の場合は車代は売ってもらう日本人の口座に日本から振り込みを行ったので必要なかった。しかし現地で車を購入する場合は現金の調達が難しいため、現金またはトラベラーズチェックでの持ち込みが必要である。その場合は大金を持ち込む、または日本にいる家族から開設したばかりのアメリカの銀行口座に送金してもらうしかない。

食べ物の持ち込みに関して:

3つのスーツケースのうち1つは丸々食糧であった。食糧の持ち込みは申告の必要があり、生物と肉類は持ち込みが禁止されている。こちらに関しては税関申告書にfoodの持ち込みに丸をつけていたが、中身もチェックされずにすんだ。持ち込んだ内容は、お気に入りのだしパック、インスタントラーメン、レンジでチンするご飯、醤油であったが、すべて車を手に入れるまでは調達が難しいものであり、当面の食糧としては大変助かった。醤油は現地でも売られているが、愛用のだし醤油はもちろん手に入らない。スーツケースに鍋を一つ入れておいたがこれが最初の数日は重宝した。お湯を沸かすのとインスタントラーメンを作るのに使用した。

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機内での状況

じっとすることの難しい2歳の男の子であり、いろいろなおもちゃ、お気に入りのDVDとポータブルプレーヤーおよびおやつを持ち込んだ。夕方出発の飛行機で、これまでの経験からぺリアクチンを飲めばぐっすり眠ることを知っていたため、退屈をし始めた時点で、ぺリアクチンを飲ませ、お菓子(じゃがりこ)を食べさせていたらすぐに寝てくれた。サンフランシスコ到着の4時間前に目を覚ましたが、おもちゃで機嫌よく遊んでくれ、最終兵器のDVDは使用しなかった。Economy plusではあったがやはり狭さが問題でありそれなりのストレスは感じていた様子だが何とか乗り切れた。Economy plusはeconomyでチケットを購入し、その後、一人15000円程度支払い購入する。子供(特に男の子)がいる場合はeconomyでは厳しすぎると思われる。

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アパートに関して

私の留学先であるMedical College of Wisconsin (MCW)の小児科は日本人は長年留学していなかった。そのため日本人の情報が皆無であった。留学先の先生からはMCWに日本人は10人くらいいるから、すべてのlabにメールで日本人から連絡を取るよう手配すると11月にお聞きしたにもかかわらず、結局、誰からも連絡がこなかった。そこで、人づてに、Milwaukee日本人会があると聞いたため、webで検索し、掲示板にMCWへ留学する旨を書きこんだ。その結果、書き込みを見た日本人会の岩田さんが同じくMCWで勤務されている金地先生に連絡を取ってくださり、メールをもらうことができた。その金地先生の住んでらっしゃるアパートに日本人が3家族住んでおり、それまでも日本人がよく利用しているアパートであり、アパートの管理者の日本人に対する信頼は厚いとの情報を得る。治安もよいとのこと。ただし、アパートは1969年に建てられたもので、改築はされているものの設備は古いとのこと。ただ、日本人が少ない分、留学生が支えあって生活しており、セットアップの手伝いをしてくださるとの言葉をいただき、アパートを決める。管理会社に12月にメールをし、現在の日本での不動産屋さんからこれまで家賃の滞納がないことの証明書、VISA、パスポート、DS-2019、十分な貯金があることの証明書をスキャンしてメールで送付。3月2日より入居可能であるとの確約を得る。電気も入居日から使用可能との返事。その後、同じくMCWで働いてらっしゃる平田先生ご夫妻もたくさんのメールを送ってくださり、情報収集を行うことができた。3月1日関空発、3月1日Chicago着、Chicagoに1泊し、バスでMilwaukeeへ。平田先生がわざわざバス停まで迎えに来てくださり、そのままアパートのofficeへ連れて行ってくださる。契約書にサイン(説明は全く理解できず、10か所以上にサイン)、最初のdeposit(契約金のようなもの、私のところは2階建ての住宅で家賃1200ドル、depositは500ドル、現金は一切受け付けないとのことで、準備していたトラベラーズチェックで支払う。3月分の家賃は500ドル引いた金額を後日小切手で支払う)。屋外にはまだ大量の積雪があるにもかかわらず、部屋はセントラルヒーテイングのようなシステムであり、1年中あたたかい。夜はペラペラの布団1枚で問題なし。日中は室内では半袖短パンで過ごせた。冷蔵庫、洗濯機は装備されている。電子レンジがなかったが、こちらは平田先生のお宅から使っていないものを譲っていただいた。家賃には暖房代と水道代が含まれており、冬に電気代が跳ね上がることはない。また、敷地内にはあこがれのプライベートプールがある。この文章を書いている7月現在、子供が毎日のようにプールに連れて行くようせがむので、仕事から帰ってきた7時頃から1時間程度子供とプールで遊ぶ日々が続いている。

住居を決めるポイントとしては治安と利便性と値段だと思われる。利便性に関しては車を手に入れればそれほど大きな問題とはならないが、治安と値段は重要である、私のアパートはWauwatosaというMilwaukeeの隣町の住宅街であり、治安は良好である。Milwaukee市内の治安良好の地区では私と同じ作りのマンションの相場は1800ドル以上、治安不良の地区では家賃は1000ドル程度であった。治安と利便性と家賃は正比例することが非常によくわかる。

家賃の支払いは毎月小切手で行う。そのためにも銀行口座は早めの開設が必要。詳細は後述。

後日、吉元先生が新たにMCWにこられた。彼女に私たちのアパートを紹介したところ、最初はSSNを未取得の場合、本来は貸すことができないとの返事であったが、日本人への信頼は厚く、私の紹介ということですぐに部屋を借りることができた。日本人は他の国の人間より明らかに信頼度が高く、助かることが多い。

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引っ越しについて

渡米の1週間前にクロネコヤマトを通じて段ボール箱9箱発送した。全部で18万円弱かかった。段ボールの内容はすべて用紙に記載する必要があり食料は一切送れないなどの不便さもあるが、私の滞在先のWisconsinへの郵送代はクロネコヤマトが一番安く、しかも、船便と航空便とあまり料金に違いはなく、さらに、私たちの渡米後10~14日で届くとのことであった。実際は、3月1日に渡米し、3月8日に届いた。段ボールの中は明らかにチェックされた痕跡があった。コンピュータ等も送ったが、故障なく作動させることができた。配達された時刻に私たちが不在であったため、アパートのleasing officeに預けたとの通知が郵便受けに入っており、取りに行った。たくさんの段ボールをofficeから自分で運ばねばならず、結構大変であった。郵送した物品としては、衣類、お気に入りのおもちゃ、教科書、絵本、小さいタオル(温泉でもらうようなやつ。こちらには売っていないので重宝する)、ウエットテイッシュ(アメリカでも売られていることが後日判明。)、はし、歯ブラシ(子供用)、予備のコンピューター、スキャナー、プリンター等である。プリンターは絶対に必要で、もちろん現地購入で構わない。どこへ出かけるにもGoogle Mapで検索しプリントアウトする必要があり、留学生の必需品である。使い慣れているものがあるなら郵送しておくことをお勧めする。スキャナーも現地調達が可能であるが、コピーの代わりにスキャンしてコンピューターに保存できるので、当初たくさんの書類を作成した際は有用であった。子供用のおむつも多めに送ったが、実はアメリカでもpampersが売られており、特に必要なかった。爪切り、耳かき、その他の文具も必需品である(爪切りに関しては、渡米前に切ったにも関わらず、1週間で伸びてしまい、荷物が数日遅れていればアメリカで購入せざるを得ない状況であった。爪がこれほど早く伸びるとは思わなかった。しかし、やはり日本製の爪切りは質が相当よい。これはスーツケースに入れておくべきだったと反省した)。

アメリカの家はとにかく広く、お湯を沸かしても沸騰している音が聞こえない。お湯を沸かしたこともすぐに忘れてしまい非常に危険である。私たちはT-falを郵送していたので、今後、お湯はT-falでわかせるのでほっとした。茶碗や食器、はしはもし送る余裕があれば送ることをお勧めする。日本人向けの食器はほとんど手に入らないか割高である。

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車に関して

日本人会の掲示板への私の書き込みを見て、ちょうど3月に帰国する予定の留学生から連絡をいただいた。その先生は1年前にRVの新車を購入されていたので売っていただくこととなった。アメリカは中古車の額が全く下がらないので新車より若干割り引きした値段で、テレビ、炊飯器、その他の家財道具をすべてまとめて売っていただくこととなった。ただ、帰国される日が3月下旬とのことであったので、それまでの3週間弱はレンタカーを借りることとした。1週間約500ドルであった。車は譲っていただく際に運輸局(DMV)へ届けを出す必要があり、同時にナンバープレートを受け取る。その際、購入金額を申請し、5.6%(Milwaukeeの場合)の消費税を支払う必要がある。中古車に関しては日本と事情が異なり、新車の中古車はほとんど値段が下がらない。金地先生からもこちらの冬季の降雪にも配慮し、中古車を購入する場合は150万円前後は出した方がいいとアドバイスをいただいていた。それでも2年間乗っても必ず半額以上では売れるそうだ。車両保険は必ず必要でありAGISが斡旋してくれる。日本ですでに必要事項を記入し見積もりを出してもらっておいた。半年間で210ドル程度であり、思ったよりはるかに安かった。この制度を利用しないと多少割高になるようだ。しかも事故を起こした場合、AGISに電話すれば日本語での対応が可能であり、とてもありがたいシステムである。購入前に保険の開始日時に関してもう一度確認の電話が必要。私の場合は車代は日本にいる間に振り込んだので大金の持ち込みは必要なかったが、渡米後購入の場合は車代の持ち込みまたは銀行口座開設後すぐに家族に送金してもらうことが必要である。

3月24日、車の現在の保有者とともにDMVに行った。しかし、担当者から思いがけない返事であった。SSN取得前は車のregistrationを行うことはできないとのこと。私はあらかじめDMVにSSN取得前でも可能かと問い合わせを行っており、可能だとの返事をもらっていたので、そのメールを見せたがそれでもだめだった。結局、その日はあきらめ、3月25日にsocial security officeへSSNの発行がもうできているか問い合わせたところ、できているので取りに来いとの返事をもらったので、早速もらいに行き、そのままDMVで手続きを行った。その際は、もうすでにRV車のナンバープレートを外していたため(前保有者が帰国したため外しておいた。ナンバープレートは個人に所属するものなので、他人が運転することはできる限り避けるべきである)、レンタカーで行ったが、登録時に車のチェックも必要なく問題なかった。しかも前保有者はすでに帰国していたため、私一人で登録に行ったが、全く問題なく、また自動車保険の証明書を見せようとしたが、それもいらないとのことであった、実に簡単で、3分程度のやりとりで私のナンバープレートを取得することができた。デイーラーで購入する場合は、SSN取得前でも購入できているため、やはり私の担当になった窓口のおばちゃんがシステムを理解していなかった可能性が非常に高いと思われた。

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アメリカでの資金準備

資金の準備としてはcitibankの神戸支店で口座を開設しておいた。日本円換算で1000万円以上の貯金があるとgold memberとなり、トラベラーズチェックの作成、インターネットでのアメリカの銀行口座への送金すべて手数料無料であるとの説明を受け、財産のかなりの部分をcitibankに移動させた。その一部をドルへ換金した。そのタイミングが最悪で、菅外務大臣の円安容認発言の影響で1ドル93円で換金してしまった。その際はもう少し待つという選択もあったが、待ってさらに円安になったらという不安から換金に踏み切った。その後、89円まで上昇し、30万円ほど損した。財テクの才能は皆無であった。それらの口座から出発前の資金として、トラベラーズチェックで10000ドルと現金で5000ドル準備して持ち込んだ。前述のようにこれほどの大金は必要なかったかもしれない。しかし、もし、車の代金を渡米後支払うのであれば、すぐに使えるトラベラーズチェックで持ち込む必要があると思われた。時間に余裕のある場合は早めに口座を開設し、円高の時をねらってドルへの換金を行うべきである。結構な大金を換金するのでかなり大きい。さらに、現地の銀行への送金は現地の銀行口座開設後、書類を記入して郵送した後に初めて可能となるので、すぐに必要なお金の調達には向かない。私は渡米2日目に平田先生に連れて行って頂き、現地の銀行口座checking account)の開設を行った。その際、妻と一緒に使う口座を選択した。その後、1週間で、私と妻のbank card(Debit card)と小切手帳(checking book)が送られてきた。SSNがまだできていなかったので、使えるか確認を行ったところ、SSN取得前でも利用可能との返事。その後の買い物や支払いが非常に楽になった。私たちのアパートは家賃の支払いが小切手であり、毎月はじめに金額を記入しポストに入れておくシステムである。そのためにも銀行口座の開設は必須であった。

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渡米後すぐに必要な支出のまとめ

  1. 車代(15,000ドル程度)、個人からの購入の場合DMVに支払う消費税(購入金額の5.6%)。登録代など。
  2. 家賃(depositや最初の数ヶ月分は準備しておく必要あり)
  3. 生活物品の購入費:テーブル、いす、電話、テレビ、調理器具、食器、炊飯器、食料品など。全くない状態から始めるので、思いの外出費が大きい。1000ドル以上は必要である。

現地の銀行への送金のため、3月26日に必要書類を記入しair mailでcitibankに郵送したところ、4月5日の時点ですでにcitibankのオンラインバンクにアメリカの銀行が登録されており、非常に簡単に送金することができた。しかもgold memberであるため、送金は手数料無料であった。この時点ではじめて、citibankのありがたみが分かった。

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入居後行ったこと

初日:

ありがたいことに、平田先生が仕事を休んでMilwaukeeのバス停まで迎えに来て下さった。さらにアパートのオフィスまで連れて行って下さり、契約にも立ち会い、その後、当日に必ず必要な物品を購入につきあって下さった。必要事項は寝具の確保、食糧の準備、その他。私は金地先生からエアマットをお借りし、掛け布団と枕は同日中に購入。シャワーのホース(入居時はホースの付いていない、蛇口に直接シャワーが引っ付いているものなので、取り換えを行った)、シャワーカーテン、間接照明、バスタオル、テイッシュペーパー、トレットペーパーなど、平田先生にアドバイスを頂き、生活必需品に限定して購入。鍋は一つ持参していたので、お湯は沸かせた。飲み水はBritaを購入し、水道水を飲用。初日はありがたいことに平田先生の奥様がシチューを準備してくださり、また炊いたご飯もたくさんいただいた。本当に助かった。また金地先生からテーブル、イス、炊飯器も貸していただき、米も数日分頂いた。日本人が身近にいるというのは本当にありがたい。到着数日は、まだこれらの配慮のありがたさがあまり理解できてなかったが、この文章を記載している、生活が落ち着いた時点で振り返ると、本当にありがたく、日本人の方々にとても助けられたということに改めて気付いた。飲み水に関して、以前San Diegoに在住していた金地先生の話では、Milwaukeeの水はおいしいが、San Diegoの水はまずく、ミネラルウオーターの購入が必要であったとのこと。

2日目:

平田先生が翌日も色々と連れて行って下さり、段取りを整えて下さった。行った内容は以下の通りである。
1、銀行口座の開設:アメリカでは現金を使う習慣はあまりなく、大きな金額は小切手、小さな金額はクレジットカードまたはデビットカードで支払う。そのため、銀行口座(checking account)の開設が必須である。そのため銀行へ行き、checking accountを作成。持参したトラベラーズチェック約10000ドル分を振り込む。また、アパートに支払う3月の家賃分の小切手も作成する。SSN(後述)はまだ取得していなかったが、accountの作成は可能であった。2週間後にchecking book(小切手帳)を郵送するとのこと。

2、ケーブルテレビ、電話、インターネット:同日にTimewarnerで、電話、cable TV、インターネットの手続きを行う。すべて込みで1カ月150ドル程度。電話番号を取得し、2日後に工事に来てくれるとのこと。諸費用および1ヶ月目の料金として180ドル程度支払う。2日後の工事にはTVと電話が必要であり、ブラウン管のTVを日本人からお借りし、電話は購入した。子機付きで50ドル程度。PCは日本から持参したものを使用。私は本来Macユーザーであったが、持ち込んだものはWindowsであり、配線にきてくれた人もWindowsに詳しく問題なく接続できた。

3、大学の手続き:MCWの留学生担当者にアポイントを取りに行ったが、不在のため、平田先生にメールを借りてアポイントを取る。大学との研究生活に関する契約、医療保険の説明などを受けることとなる。

4、購入したもの:牛乳、りんごジュース、冷凍ピザ(これが相当美味しかった)、その他の日用雑貨。

3日目:

家の中の片づけを行った。あと、ストレスの溜まり気味の子供用に室内を漕いで走るための小さな車を購入した。しかし、さすがはアメリカで、部品はばらばらで自分で組み立てるものだった。そのため、金地先生からハンマーを借りて持参のドライバーを使用し1時間くらいかけて完成させた。

家のドアが壊れた。外からは開くが、中からは開かなくなった。一瞬家に閉じこめられたと思ったが、幸い、私たちの家は2階建ての家で、1階の窓から脱出できたので、すぐに隣のofficeに修理を頼みにいった。もちろん脱出できない緊急事態用に電話番号も記載されていたが、出られたので直接頼みにいった。担当者の対応もよく、30分後に修理にきてくれ、新しいノブと取り替えてくれた。

4日目:

ようやく気持ちが落ち着き始め、冷静に周囲が見えるようになった。アメリカは土足の文化であるが、カーペットは入居時に張り替えてくれる。そのため、日本人はほとんどが靴は脱いで素足の生活をしている。同じアパートのアメリカ人も玄関に靴がおいてあり、訪ねると日本人を見習って、家では靴を脱ぐことにしていると返事してくれた。物の本に、アメリカでの生活にスリッパは必需品と書いてあり購入していったが、素足なので必要なかった。業者の人が家に入る際には、靴を脱いでくださいとお願いすれば問題なかった。業者によってはシューズカバーを準備しているが、土足の家でも同じく使用している可能性がある。

インターネットなどの工事にきてくれた。テレビと電話とネットがつながった。日本の情報にかじりつき、懐かしさを覚えた。急に世界が広がった感触が忘れられない。

5~6日目

車を譲っていただくまで3週間あるため、レンタカーを契約。平田先生にコンピューターをお借りし、インターネットで契約を行い、連れて行っていただき貸し出しをした。最初は左ハンドル、右側通行に対するとまどいは相当大きく、また右折は信号に関係なく確認さえ行えばいつでもできるという交通規則になかなかなれず、車庫入れのみならず、走行にまで恐怖を感じた。しかし、妻は全く問題なく走行でき、何の不安も感じないと言っていた。実は、私は借りた直後、駐車場から車をバックで出し(アメリカでは駐車場に駐車の際、バックで止めることはなく、頭からつっこむ。あまり運転は上手でなく、バックでの駐車ができない人が多いらしい)、さあ、出発と思った瞬間に後ろから車がドスンとぶつかってきた。後方確認なく出てきた車が私の車にぶつかったのであった。あわてて、車から飛び出したところ、むこうのおじさんも出てきて、「I’m sorry. Are you OK?」と聞いてきたので、とりあえず、「Good.」と答えたら、もう一度「I’m sorry. Good-bye」と言って去って行ってしまった。私が呆然としていると、平田先生が、「アメリカ人はぶつけても全く気にしないし、レンタカーも傷がついても全く大丈夫、はじめから傷があったと言えばいいです。」と教えてくれた。いきなりの非常に大きなカルチャーショックであったが、確かに、アメリカで走っている車は結構傷だらけ、中古車も傷がついていても価値にはあまり関係ないとのことであった。細かいことに気を遣う日本との大きなギャップであったが、むしろ運転をする上での気持ちは楽になった。一番近くのホームセンターまででかけ、物品をたくさん購入した。こどもの三輪車と靴の棚などを購入した。前回、おもちゃの車を組み立てた際、全く大工セットがなく、日本人の方からお借りして作成したので、今回は大工道具も購入しておいた。案の定、金槌、六角、ドライバーが必要であり、購入しておいたため、すべて問題なく完成させることができた。すでに日曜大工の要領はつかんでおり、今回は棚3つと三輪車すべてを1時間くらいで完成させることができた。数日ぶりにビールを購入し、味わった。ビール購入の際は必ずIDの提示を要求される。当面はパスポートを持ち歩く予定であるが、自動車免許を取得した後は皆、それを使っている。ビールはとても安く、バドワイザーで350mlが80円程度である。Milwaukeeで作られているミラービールはなんと、1本60円であった。ミネラルウオーターより遙かに安い。

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寝具に関して

入居後数日はお借りしたエアベッドを使用した。最初の数日は寝心地もまずまずと思い満足していたが、徐々に寝返りの際の浮き沈みやいろいろな点が気になり始めた。そこで、近くのホームセンターに出かけ、キングサイズの低反発のトップス(マット)を購入した。定価400ドルであるが、50%引きの200ドルで購入した。早速同日夜から使用したところ、とても快適で熟睡することができた。さらにベッドを購入するよりかなりの割安ですんだ。生活の質が急激に改善したことを実感した。この方法は室内を素足で生活する場合のみ可能である。室内は常に暖かく、半袖半ズボンの生活で、掛け布団はアメリカで売っているぺらぺらのものであるが、全く問題ない。

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食生活について

私の滞在しているWisconsinは農業の地域である。関係あるかどうかは不明だが、野菜、果物は相当おいしい。日本では私たちはスーパーの野菜に愛想を尽かし、厳選野菜の取り寄せを行っていたが、マーケットを選んで買えば、こちらのオーガニックの野菜はとてもうまい。キャベツも生でばくばく食べられる。2歳のこどもでさえ、キャベツ、にんじん、トマトを生でかじりつくし、ほうれん草のバター炒めは「うまいうまい」といいながら食べている。ブロッコリーもゆでたものを平気で食べている。米はカリフォルニア産コシヒカリを購入したが、これまたうまい。しかも日本より安い。リンゴジュースが絶品で、100%pureのnot concentrateは最高であるし、やはり安い。決して日本では飲めないうまさである。卵も質がよく、卵焼きがおいしい。さすがに日本のように生では食べない方がいいらしい。最初の数日は料理できず、近くのMacで調達したり、冷凍ピザを購入したが、Macは日本と全く同じ味で、同じすぎてびっくりした。冷凍ピザはこれまたうまい。調子に乗って、その他の冷凍食品も購入したが、野菜やタコスはまずくて食べられなかった。日本人の方もピザだけは冷凍食品はうまいとの返事だった。その他、ソーセージがとにかくおいしい。こちらの名物だそうだ。夜はゆでたソーセージとビールで幸せである。牛乳、チーズもとてもおいしい。こどもが牛乳にはまっている。量り売りのベーコンは相当おいしいとお聞きしたため、購入した。これまたおいしくて、日本のものよりかなり厚切りで風味がとても豊か。そのまま焼いても料理に使っても最高であった。近くにアジアンマーケットがあり、米、信州味噌、醤油、みりんなど購入できる。私たちもいろいろな食材の購入をしている。時間のないときはインスタントラーメンを食べるが、「サッポロ一番」はどこのスーパーマーケットでも売っている。しかし、とんこつ味のインスタントラーメンだけはどこを探しても見あたらない。

以前、留学されていた先生から、アメリカでおいしいのはオレンジジュースとbaby back ribだとお聞きしていたので、近くの高級マーケットでribを購入したところ、あまりのおいしさに感動した。とてもおいしく、2日続けて買いに行った。しかも安く、肉だけでおなかいっぱいになるくらい購入したが8ドルであった。

ちなみに私たちの愛用しているマーケットはBrookfieldのFresh Marketである。私たちのアパートから比較的便利な場所にあるMarketの中では一番美味しいと私たちは信じている。値段は多少割高である。

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保育園について

子供のための保育園探しを始めた。保育園にもいろいろなものがあり、大きく分けてベビーシッターがおり預かってくれるday careと、しっかりと教育してくれるSchoolがある。日本人会の岩田さんに同行して頂き、ご子息の通われていたSchoolを見学に行ったところ、先生の数にびっくりした。2-3人の子供に一人の先生がついており、かなり密度の濃いい教育を行っている。午前中のみ週5日のコースで月額375ドルである。9時から15時30分のコースでは735ドルであった。高いとも感じられるが、これだけの教育体制であれば納得である。子供の教育は重視するが、それほどのお金をかけられない場合は週3回のコースも選択できる。このようなschoolはたくさんあり、アメリカの方が幼児の教育は進んでいると感じた。基本的には9月から5月までであり、新規の入学は9月からである。しかし、ほとんどのSchoolは6月から8月はsummer programを準備しており、休みの間はそちらへの参加をする。私たちは4月からの入学を希望したが、現在のクラスのprogramの運営に支障を来すとして受け入れられなかった。そのため、6月からのsummer programを選択し、それまではYMCAのpre-schoolに参加させることとした。こちらは1日40分くらいのコースで、語学(月)、音楽(火)、運動(金)を選択した。家族での会員になるのに月額52ドル、各コース週1回2ヶ月参加で26ドル必要であった。YMCAは会員になれば、プールやサウナ、その他の設備を無料で使うことが出来る。

Milwaukee在住の日本人が土曜学校を運営してくれている。国語の先生と音楽の先生がそれぞれ1時間ずつ日本語で授業をしてくれる。月60ドルであった。そちらもとても楽しく参加できているし、日本人の友達が一期に増えた。

全体的に子供の教育のための設備は大変充実している。世界一の先進国で、しかも上流社会が支えているという社会構造は、このような恵まれた教育を受けている家庭で成り立っているということがよくわかった。

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日本人との交流

Wisconsin在住の日本人は決して多くないが、そのためほとんどの日本人とは顔見知りである。皆、大変協力的であり、困った際はすぐに手を貸して下さるのでとても助かる。日本人会の皆さんもとても仲が良く、バーベキュー、お好み焼きなど、色々と声をかけて下さる。また、土曜学校で子供を通じて知り合えた方々とは本当に仲良くして頂き、私たちも子供も飽きることがない。とても恵まれた環境で過ごすことができ幸せである。

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大学での手続き

担当者へのappointをとり、3月12日に会うことができた。その際SSN申請のための書類、大学での研究に関する契約書へのサインを行い、医療保険の説明を受けた。基本的な保険で月200ドル+歯科受診の際の保険月58ドル、眼科受診月17ドルであった。私たちは、歯科受診セットで申し込みを行った。12ヶ月分前払いであった。

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SSN(social security number)の申請

渡米後10日以上たてば申請が可能であるとのことで、平田先生に同行して頂き、3月13日大学での手続き終了後早速social security officeへ行った。そこで手続きを行ったが、担当者から私の雇用が4月1日からなので、4月1日からしか手続きに応じられない。こちらでコピーを作成し、4月1日に申請を行うとの返事を得た。銀行へSSNの交付が遅れる旨を説明したら、checking bookやbank cardは全く問題なく使用できるとの返事をもらった。結局、車のregistrationの問題もあり、3月27日にsocial security officeへ電話したところ、もうできているとの返事であったため、窓口に取りに行った。実際のカードが送られてきたのは3月31日であった。アメリカはいわゆる国民総背番号制である。SSNであらゆる情報を端末でチェックするシステムとなっているため、逆にSSNがないといろいろな手続きができない。SSNが交付されて一安心であった。

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アメリカでの生活を始めて・・・

SSNの申請の際やDMVでの車の登録の際に感じたことだが、officeの窓口は担当者によって言うことがばらばら、一度言ったことはその場ではまず訂正しない。その窓口においてのみはその担当者が絶対的な権力を持っている。しかし真実は間違っている。・・・ということがどうやらアメリカでは多々あるようだ。これに腹を立てるか、文化の違いを楽しむかで、アメリカでの生活は大きく変わると思う。律儀な日本人にとっては苦しめられることの方が多いのかもしれない。私は楽観主義者であり、後者である。日本では浮いていた私ではあるが、アメリカは非常に居心地が良く、自分でも驚くくらい溶け込んでいる。どうやら私の前世はアメリカ人であったようだ。しかし、私はクリスチャンであるのでよく考えると前世はなかった。私の出身の神戸大学では、私があまりにも幸せそうにしているので、「野津はもう神戸には帰ってこない」と既に噂されているそうだ。

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